【9月29日 AFP】(更新、写真追加)インドネシア中部で28日に起きたマグニチュード(M)7.5の地震とそれに伴う津波による死者は、少なくとも48人に上ることが明らかになった。

 死者数についての公式発表は今回が初めて。国家防災庁(National Disaster Mitigation Agency)によれば、スラウェシ(Sulawesi)島の都市パル(Palu)で少なくとも48人が死亡、356人が負傷したという。

 同庁は死者数について、さらに増加する可能性があるとしている。

 防災当局は津波の高さは最大で1.5メートルに達したと発表。今回の地震のマグニチュードは、今年の7、8月にインドネシアのロンボク(Lombok)島で数百人の死者を出した一連の地震よりも大きかった。

 米地質調査所(USGS)によると、地震が起きたのは28日午後6時(日本時間午後7時)ごろ。震源はパル(Palu)から約80キロの地点で、震源の深さは約10キロと浅かった。このように震源が浅い地震は被害が大きくなることが多い。

 震源から数百キロ離れた場所でも強い揺れを感じたと報告されている。その数時間前にもこれより規模の小さな地震があり、少なくとも1人が死亡していた。

 人口35万人の都市パルの立体駐車場の上層階から撮影された映像には、白い激流の壁が複数の建物をなぎ倒し、大型のモスク(イスラム礼拝所)を浸水させる様子が映っている。防災当局の報道官は声明で、「この地震で数多くの建物が倒壊したとの報告を受けている」と述べた。

 防災当局が公開した写真には、上階が下の階を押しつぶすように倒壊したパルのショッピングモールをはじめとする大きな被害を受けた建物や、そこかしこに大きなひび割れの入った道路が写っていた。

 パルの主要空港は津波が押し寄せた後、閉鎖された。少なくとも24時間にわたって閉鎖される見通し。(c)AFP