【9月25日 AFP】23日に行われたサッカーインドネシア1部リーグ、ペルシブ・バンドン(Persib Bandung)対ペルシジャ・ジャカルタ(Persija Jakarta)の試合前に、ファン1人が相手チームのサポーターから鉄の棒や板で殴り殺される事件が発生し、これまでに十数人が逮捕された。現地警察が24日、明らかにした。

 今回の事件は、インドネシアの首都ジャカルタから150キロメートル南東にあるバンドン(Bandung)のメインスタジアムの外で起き、ペルシジャ・ジャカルタを応援する23歳の男性ファンが、地元チームであるペルシブ・バンドンのサポーターに殴打されて死亡。この襲撃に関与した容疑で、これまでに16人が逮捕されたという。

 インドネシアサッカー協会(PSSI)はコメント文を発表し、「深い哀悼の意」を表するとともに、「インドネシアサッカー界で、このような事件が二度と起きないことを願っている」と述べた。

 サッカー専門家によると、宿敵同士である両チームの一戦をめぐって人が亡くなるのは2012年以降で7人目。さらに、試合に関連した暴力によって命を落としたインドネシアのサッカーファンは、1994年以降で70人目になるという。

 この専門家は一連の事件に関して、当局による「状況の放置によって、このようなことが続いている」、「過去においても、暴力や破壊行為に対して厳しい処罰は与えられておらず、こうしたことがインドネシアサッカー界で慢性化している」と批判した。

 インドネシアでは今年7月、AFF U-19ユース選手権(AFF U-19 Championship 2018)の準決勝で母国が負けた際にも、地元ファンがビジターであるマレーシアのチームに対して石や瓶を投げつける騒ぎが起きていた。

 さらに、同リーグでは外国人選手の扱いも悪く、給与が支払われずに治療を受けられなくなったことが原因で、これまで少なくとも2人が死亡している。(c)AFP