【9月12日 AFP】スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州の州都バルセロナ(Barcelona)で11日、およそ100万人が同自治州の独立を求めるデモを行った。

 9月11日は、1714年にスペイン王フェリペ5世(Philip V)の軍勢によってバルセロナが陥落したことを記念する「カタルーニャ国民の日」。2012年以降はこの日にカタルーニャの分離独立を呼び掛ける大規模なデモ行進が行われるのが恒例になっている。

 独自の言語を持ち経済的に豊かなカタルーニャ自治州では、昨年10月1日の住民投票が違法との司法判断が下されたのち、同月27日に自治州議会が一方的に独立分離を宣言したが、最終的に全てが無に帰す結果となった。この状況を受けて今年のデモは同自治州の強さが試される重要なイベントと位置付けられた。

 デモでは参加者らが太鼓をたたいたり笛を吹いたりしながら行進したほか、手を組んだ人たちの肩の上に立ってつくるカタルーニャ伝統の「人間の塔」が披露された。「カタルーニャの政治犯を直ちに釈放せよ」と書かれた黄色と黒のプラカードを掲げる人々の姿もあった。「政治犯」とは、昨年の独立の試みで拘束され、今は裁判を待っている分離独立派の指導者たちのことだ。警察当局は昨年のデモとほぼ同程度の約100万人がデモに参加したとツイッター(Twitter)で明らかにした。

 デモに参加したオリーブオイル生産者のロジェ・プジョル(Roger Pujol)さん(37)はAFPに対し、「私たちは民主的で平和的な方法で、国家として存在する権利を求めている」と話した。

 キム・トラ(Quim Torra)カタルーニャ自治州首相は10日、テレビで演説し、同自治州政府として「共和国の建国」に向けて努力すると表明した。しかしバルセロナ自治大学(Autonomous University of Barcelona)のオリオル・バルトメウス(Oriol Bartomeus)教授(政治学)は、「演説を聞いたところでは分離主義のリーダーたちは今後の計画を持ち合わせていないようだ」と述べた。(c)AFP/Diego URDANETA