【9月12日 AFP】中国は来週、米国が反ダンピング(不当廉売)をめぐる世界貿易機関(WTO)の判断を順守していないとして、年70億ドル(約7800億円)余りの対米報復措置を取ることを承認するようWTOに求める方針だ。2大経済大国である米中の貿易戦争がさらにエスカレートする恐れがある。

 WTOは11日、この件をめぐって紛争解決機関の特別会合を今月21日に開くと発表した。

 中国は2013年12月、米政府がダンピングの評価に当たって、輸入品の価格を米国内の価格などの正常価格に比べて計算する「ゼロイング」という方式を取り続けているのはWTOの規則違反だとして、WTOに異議を申し立てた。

 WTOの専門家パネルは2016年10月、中国側の主張をおおむね認める判断を示した。米政府は2017年6月、「妥当な」期間内にパネルの勧告を実施する意向を示したが、WTOの紛争解決機関は今年1月、米政府が勧告に従う期限を8月22日に設定していた。(c)AFP