「記憶に留めておく一枚の報道写真」

私は「平和でない」世界を知らない。それはきっととても幸せなことだ。そんな私が「世界が平和になるには?」とどれだけ新聞やニュース、本から学ぼうとしても、結局は心のどこかで「これはよその出来事だ」と考えてしまう。紛争って?難民って?これもすべて机上のお話になってしまう。でも世界で起きていることは全て現実で、国語の物語なんかじゃない。私たちは世界で起きていることを本気でとらえなければならない。私たちは世界の現実として現状を知らなければならない。この瓦礫の中を進む男の子も、決して私たちの教材なんかじゃない。この男の子の存在を、この男の子の現状を、受け止め、そして同じ世界に生きている存在であることをわかっていなくてはならない。それが、平和を考える私たちの一つ目に大切なことなのではないだろうか。


明治大学 藤井泉 平和構築セクション