「記憶に留めておく一枚の報道写真」

アラブの春を発端として始まったシリア内戦は今年で7年目を迎える。既に総人口の半数以上が国内外で避難を余儀なくされている中、内戦は終結を迎えるどころか、むしろ対立構造が複雑化し、戦闘は激化している。メディアで取り上げられる紛争のニュースも我々は見慣れてきてしまっているのが現状である。このような状況の中で私たちに改めて紛争について考えさせる写真がこの一枚ではないかと思う。バスの中から子供たちが無邪気な笑顔でピースをしている写真。しかしその窓は銃弾で撃ち抜かれており、危険がすぐそばに潜んでいるのがうかがえる。我々はこの子供達の将来を守り、紛争について改めて深刻に考えなければならないと感じさせる一枚である。


立教大学 矢澤美結 平和構築セクション