【8月25日 AFP】自転車ロードレースのツール・ド・フランス(Tour de France)で、ドイツ人選手として唯一の総合優勝を飾っているヤン・ウルリッヒ(Jan Ullrich)氏は、アルコールと薬物依存の治療を受けている中で、状態が「かなり改善」していることに加え、元ライバルのランス・アームストロング(Lance Armstrong)氏に会いに行く計画があることを明らかにした。

 現在44歳のウルリッヒ氏は独紙ビルト(Bild)に対して、「かなり改善していると感じている。ここにいると安心だし、自分自身に向き合える」とすると、「離脱症状はまったく出ていないし、投薬も受けていない。たばこの煙の影響で目薬を差しているだけ。たばこを吸い過ぎているから、近いうちに減らしていきたい」と話した。

 2週間前に売春婦への暴行容疑で警察に一時勾留された後、ドイツ国内の病院で治療を受けているウルリッヒ氏は、リハビリを開始する前に精神科へ搬送されていた。暴行事件の前には、スペイン・マジョルカ(Mallorca)島で近所に住むドイツ人俳優ティル・シュヴァイガー(Til Schweiger)氏の家に侵入し、相手を脅したとして24時間身柄を拘束されていた。

 ウルリッヒ氏は治療の一環で一日に2度の薬物検査を受けているものの、別居中の子どもや元妻と連絡が取れて以降、状況は改善しているという。また、前週には元ライバルで46歳のアームストロング氏から2日間の訪問を受けたことが励みになったとして、治療が終わったら同氏を訪ねて米コロラドへ赴くつもりであることを明かした。

 1997年のツールで総合優勝を果たしたウルリッヒ氏は、「彼が急に姿を現したときは、本当にうれしかった。ランスは本当にわざわざここまで来てくれたんだ。また会う予定だよ。治療が終わったら渡米するつもりだ。すでに彼から病院を紹介してもらっている。そこで体調を回復させながら、最後の毒素を体から抜いていく」と話した。

 2017年から子ども3人の親権を持っている元妻のサラ(Sara)さんとの関係がこじれた今年初め頃から、問題に直面し始めたというウルリッヒ氏は、「サラとの関係に問題が生じ、子どもたちと何週間も会ったり話したりすることができなかった。感情が爆発してテレビを壊したり、天井からサンドバックを引きちぎったりしてしまった」と告白した。

「気分を落ち着かせるために、コカインやアンフェタミン(amphetamine)に手を出した。しかし、それはもう必要ない。(自分の人生に)子どもがいるのだから、薬物など必要ないんだ」 (c)AFP