「記憶に留めておく一枚の報道写真」

この写真は反政府組織が多くいる地域に対して政府が爆撃を行い、建物の瓦礫の下敷きになった少年をシリアの民間防衛部隊員が運んでいる場面です。この写真を見て、顔をしかめた人はいても、自身がこの状況にいることを考える日本人はほとんどいないでしょう。しかし、シリアにおいてはこのような状況は日常の一場面です。明日自分が死ぬかもしれない、家族がいなくなるかもしれないという恐怖が常にある状態です。私も含めて多くの日本人はこのようなことを考えて生きていないでしょう。
現在、紛争の起こっている地域に平和をもたらす活動の一部であるPKOに日本の自衛隊の派遣が行なわれています。私たち日本人も無関心ではいれません。確かに個人個人でできることは少ないですが、この写真ような「日常」が私たちの「日常」と並行して起こっていることを知ることは私のできるとても大切なことだと思います。


津田塾大学 中島純子 平和構築セクション