【8月21日 AFP】アフリカ西部にある最貧国シエラレオネのジュリウス・マーダ・ビオ(Julius Maada Bio)大統領は20日、9月から初等・中等教育を無償化すると発表した。150万人の児童・生徒が対象となる。

 無償教育は、ビオ氏が大統領選で掲げた公約の一つ。新制度導入に伴う予算の詳細は明らかになっていないが、同氏は大統領報酬3か月分を寄付するとしている。

 ビオ大統領は、授業料と教材費は国が全額負担すると明言し、子どもを登校させない保護者には罰金や禁錮刑を科すと警告した。

 さらに保護者らに対し、制服と靴の用意を要請し、伝統的に親の役割とされてきた各家庭での指導や助力も継続するよう奨励した。

 大統領は、開発援助団体や民間部門に対しても新制度への支援を呼び掛け、教育は全国民に与えられるべき基本的権利だと強調した。

 シエラレオネは、ダイヤモンドをはじめ鉱物資源が豊富であるにもかかわらず、世界最貧国の一つに数えられ、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の2015年の報告によると、同国の15歳以上の識字率は5割にとどまっている。

 同国は長きにわたる内戦、さらに直近では4000人が犠牲になった2014~16年のエボラ出血熱で停滞した社会および経済の立て直しを図ろうと尽力している。(c)AFP