【8月9日 AFP】ボリビアの大統領が式典で身に着ける貴重なメダルが7日、盗難に遭った。地元メディアによると、管理担当者が売春宿に立ち寄っている間に盗まれるという失態を演じた。宝石をちりばめたメダルだが、8日に捨てられているのが見つかり回収された。

 メダルは普段は政府所在地ラパス(La Paz)にある中央銀行に保管されており、式典があるたびに大統領の元に届けられる。地元メディアが伝えた警察発表によると、エボ・モラレス(Evo Morales)大統領は8日、中部コチャバンバ(Cochabamba)で演説するときにも、ボリビア国旗の3色のサッシュとともに着用する予定だった。

 保管担当の軍将校は7日夜、現地に運ぼうとしたが、搭乗予定だった飛行機が遅れたため、売春宿に立ち寄った。その間にメダルは盗まれてしまったという。

「何軒か売春宿に入ってから自分の車を止めた場所に戻ると、国章が付いたかばんが持ち去られていた」(同将校)

 窃盗犯は国の貴重なシンボルであるこのメダルを、ラパス中心部にある教会の玄関先に捨てていた。大手テレビ局ユニテル(Unitel)に匿名の通報があり、発見につながったという。

 モラレス大統領は6日に行われた独立記念日の式典ではメダルとサッシュを身に着けていたが、8日にコチャバンバで行われた軍事パレードにはどちらも着けていなかった。

 ボリビアのカルロス・メサ(Carlos Mesa)元大統領は、メダルの盗難は「英国ならエリザベス女王(Elizabeth II)の王冠が盗まれたようなものだ」と嘆いた。(c)AFP