【8月8日 AFP】インドネシア警察は8日、当時10代だった女性を誘拐し、15年にわたって性奴隷にしていた容疑で呪術師を逮捕したと発表した。83歳の容疑者は、この女性の架空の恋人の霊に取りつかれていると主張していたという。

 警察は5日、中スラウェシ(Central Sulawesi)州にある村の付近で、密林内の洞窟から消耗した裸の女性を発見した。 

 現在28歳の女性は、当時13歳だった2003年に病気の治療のために呪術師の元を訪ねて以降、行方不明になっており、家族が通報していた。女性の父親は娘の捜索に何年も費やしたという。

 その一方で、警察によれば呪術師は家族に対し、女性は遠く離れた所に行ってしまい、戻ってくることはないだろうと伝えていたという。さらに呪術師の息子は、この女性の姉妹と結婚している。

 地元の警察署長はAFPに対し、「何年もの間、この呪術師は毎日、霊に取りつかれているふりをして女性と性行為に及んだ」と述べた。

 ジャゴ(Jago)という名の呪術師は女性に対し、自分の中に若い男の霊が住まわっており、その男が女性の恋人であると信じ込ませていた。そして、日中は女性を洞窟の中に隠し、夜になると近くの小屋で性交していたという。

 警察は情報提供を受けて女性を救出。現在、安全な場所で保護されている。

 警察署長は女性について、「非常に混乱している。人を恐れており、ずっと洞窟に帰りたがっている」と述べ、治療を受ける予定であると説明している。(c)AFP