【8月5日 AFP】ジンバブエの大統領選挙で敗れた野党のメンバー24人が4日、投票に不正があったと訴えるデモの最中に「公の場で暴動」を起こした罪で起訴された。

 選挙委員会は3日、与党ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線(ZANU-PF)のエマーソン・ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)現大統領が、最大野党・民主変革運動(MDC)のネルソン・チャミサ(Nelson Chamisa)議長を破って当選したと発表。

 チャミサ氏は選挙が野党支持者に対する厳しい弾圧によって台無しにされたと主張し、自身こそが真の勝者だとして結果の受け入れを拒否している一方、ロバート・ムガベ(Robert Mugabe)前大統領の側近でもあったムナンガグワ氏は国民に団結を呼び掛けている。

 今回の選挙をめぐっては首都ハラレで1日、投票に不正があったと訴えるデモ隊に兵士が発砲し、少なくとも6人が死亡。ムガベ前大統領の圧政下で発生した選挙後の暴動をほうふつとさせるもので、国際社会からは市民への発砲に対し非難の声が上がった。

 ムナンガグワ氏はMDCが暴動を扇動したと非難しているが、デモ参加者らの殺害について第三者委員会を立ち上げ、調査する意向を示している。

 ZANU-PF事務所の窓を壊し、車両に火を付けたとして「公共の場での暴動」の罪で起訴された男性16人と女性8人の野党メンバー24人は4日、裁判所に出廷。メンバーらは6日に行われる保釈聴聞まで再拘束されるという。ただ、被告側の弁護士は、24人が警察のMDCに対する「日和見的な捜査」によって拘束されたと主張している。

 ムナンガグワ氏は先月30日の選挙について、「自由かつ公正で、信頼できる選挙」であり、ジンバブエの国際的な孤立に終止符を打つ新しいスタートだと称賛。国際監視団は投票が平和的に行われたと評価した一方、欧州連合(EU)の団体からは公共放送などでムナンガグワ氏に関する報道が偏って伝えられ、同氏が有利な立場にあったという声も上がっている。(c)AFP/Fanuel JONGWE, Susan NJANJI