【8月2日 AFP】マダガスカルのみに生息するキツネザルの95%が「絶滅の危機に直面」しており、地球上で最も絶滅に近い霊長類となっている。国際自然保護連合(IUCN)が1日、明らかにした。

 IUCNがキツネザル個体群に関する最新情報を発表するのは、2012年以来6年ぶり。IUCNによると、突き出た鼻と長い尾を持つ樹上性霊長類で、マダガスカルにのみ生息するキツネザルは、熱帯雨林の破壊や無秩序な農業、森林伐採、鉱山開発などにより破滅的な影響を受けているという。

 IUCNの種の生存委員会のラス・ミッターマイヤー(Russ Mittermeier)氏は声明で、「これは間違いなく、哺乳類の大分類、さらには脊椎動物の大分類に関する絶滅危惧種の割合としては最も高い」と指摘した。

 IUCNによると、合計111種のキツネザル種および亜種のうちの105種が絶滅の危機に陥っているという。

 最も憂慮すべき傾向の一つは「大規模な営利目的の狩猟を含むキツネザルの捕獲の水準が高まっていること」だと、英ブリストル動物学協会(Bristol Zoological Society)の自然保護部門を統括するクリストフ・シュウィッツァー(Christoph Schwitzer)氏は指摘。「マダガスカル国内でこれまでに見たこともないような状況」と表現している。

 IUCNによると、「絶滅危惧種」として特定された種の一つのキタイタチキツネザルは、現在50個体しか残っていないと考えられているという。

 マダガスカルは世界で最も生物多様性に富んだ国の一つ。IUCNは「キツネザル保護の大規模行動計画」を立ち上げている最中だという。(c)AFP