【7月31日 AFP】中国厨房器具メーカーの華帝(VATTI)は30日、サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)でフランス代表チームが優勝した場合、商品の購入者に全額返金すると約束したキャンペーンで、現在までに900万ドル(約10億円)を払い戻したことを明らかにした。

 今月15日にロシア・モスクワで行われたW杯決勝で、ディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督率いるフランスが4-2でクロアチアを下して優勝したことを受け、フランスの公式スポンサーだった華帝は現在、返金作業に追われている。同社によると、これまでに現金もしくはギフト券で払い戻された金額は、6200万元(約10億円)以上に達するという。

 レ・ブルー(Les Bleus、フランス代表チームの愛称)が優勝したことによって、華帝が被るコストはこれだけにとどまらず、今回の大胆な宣伝活動による返金額の合計は、1200万ドル(約13億3000万円)という莫大(ばくだい)な額に上る見通しとなっている。

 1992年に創業された華帝は、フランスがW杯で優勝した場合、「優勝セット」として販売された対象商品の購入者に返金するキャンペーンを打ち出した。フランスが大会を勝ち抜いて会社の株は急落したものの、同社は楽観的な姿勢を貫いている。

 華帝の代理人は以前、中国証券報(China Securities Journal)に対し、「返金額はかなりの数字に上るとみられるが、それはわれわれの年間予算に含まれている。会社に大きな影響が及ぶものではない」と述べていた。(c)AFP