【7月31日 AFP】マケドニア議会は30日、同国の国名を「北マケドニア共和国」に変更する決定の是非を問う国民投票を、9月30日に実施することを決めた。投票により、ギリシャとの長年にわたる対立を解消し、北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)加盟への道を開くことを目指す。

 マケドニア、ギリシャ両政府は先月、国名をめぐる対立を打開するためにマケドニアの国名を変更するとの歴史的合意に達していた。

 旧ユーゴスラビア構成国のマケドニアは1991年以来、国名をめぐりギリシャとの関係が悪化し、西側への統合を阻まれていた。国内北部に「マケドニア」の名前を持つ地域があるギリシャは、隣国がこの名称を使用することに反対。マケドニア政府には領土拡大の野心があり、ギリシャの文化遺産を不当に利用していると批判していた。

「マケドニア共和国」の国名は米国、ロシアを含め120か国以上が承認しているものの、ギリシャはこれに抗議し、マケドニアのNATO加盟やEU加盟協議開始を阻止してきた。

 国民投票で問われる質問は、マケドニア議員120人中68人の賛成により承認された。質問は「あなたはマケドニア共和国とギリシャ共和国間の合意を受け入れることで、EUとNATOへの加盟に賛成しますか?」というもので、新国名は明記されていないものの、西側諸国との関係強化を目指すマケドニア政府の意向と投票を密接に結び付ける文言となっている。(c)AFP