【7月31日 AFP】シリア南部スウェイダ(Sweida)県で先週、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が各地を襲撃した際、ある村からイスラム教の少数派ドルーズ(Druze)教徒の女性と子ども数十人を拉致したことが分かった。在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」と地元住民が30日、明らかにした。

 ドルーズ教徒が住民の多数を占め、シリア政権側が大部分を掌握するスウェイダ県ではこれまで、2011年に始まったシリア内戦の影響をそれほど受けていなかった。だが25日、県都スウェイダ市とその周辺の村々で自爆攻撃や襲撃が相次ぎ、民間人を中心とした250人以上が死亡。ISが犯行声明を出した。

 監視団によると、連れ去られたのはドルーズ派の女性と子ども計36人。うち女性4人は脱出に成功したが、2人が死亡したという。

 スウェイダ24(Sweida24)などのメディアは、人質となった女性の一人がシリア政府に対するISの要求を代弁しているとみられる動画を掲載。AFPはその信ぴょう性を確認できていないものの、この女性については複数の地元住民が、ISの襲撃後に行方不明となった女性の一人であることを認めている。(c)AFP/Layal Abou Rahal