【7月29日 AFP】ツール・ド・フランス(2018 Tour de France)は28日、第20ステージ(サンペシュルニベルからエスプレット、31キロメートル、個人タイムトライアル)が行われ、ステージ3位に入ったチームスカイ(Team Sky)のゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)が自身初となるツール総合優勝を事実上決めた。

 総合制覇に向けた最後の試練といえるステージで、優勝したチームサンウェブ(Team Sunweb)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)と14秒差でフィニッシュしたトーマスは、「なんて言ったらいいか分からない。とにかく胸がいっぱいだ」とコメントした。

「ツールドフランスの総合優勝なんて考えたこともなかった。それが突然、こうしてツールを勝てたんだよ! 言葉にならない。ただただ信じられない。ストレスはあった。自分にはライバルたちを倒せる力があると信じていた。この3週間で一番重要なステージだった。夢のようだよ!」

 これまで、クリス・フルーム(Chris Froome、英国)の三大ツール(グランツール)6回制覇のうち何度かアシストを務めてきたトーマスは、ステージが終わると夫人の胸に跳び込んで喜んだ。トーマスは「前に泣いたのは結婚したときだ」と話している。

 トーマスと総合2位のデュムランのタイム差が2分5秒という中で迎えたこのステージは、UCIロード世界選手権大会(UCI Road World Championships)のタイムトライアル王者であるデュムランが、実力通りにテクニカルなコースを攻略した。

 しかしトーマスとの差は14秒縮まるだけにとどまり、デュムランの事実上の総合2位も決定した。デュムランはフルームが制したジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2018)に続き、今季のグランツールで2戦連続の準優勝。しかしツールでは初の総合2位となる。

 総合優勝4回の前回王者フルームは、デュムランと1秒差のステージ2位に入り、総合順位を3位に戻した。前日は、区間優勝を飾ったチーム・ロットNL・ユンボ(Team LottoNL-Jumbo)のプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)のアタックに苦しんだフルームだが、この日のログリッチは2日連続の快走とはいかず、デュムランと1分12秒差の8位にとどまった。

 ウイユ(Houilles)からパリまでの最終ステージは、お祝いムードで進んだ後、シャンゼリゼ通りでスプリンターたちによる勝負が繰り広げられる。

 何かアクシデントがない限り、トーマスはこのままマイヨジョーヌ(イエロージャージー)を守り、スカイはここ7回のツールで6回目の総合優勝を飾る。スカイはブラッドリー・ウィギンス(Bradley Wiggins、英国)氏が2012年にチーム初優勝を果たした後、フルームが2013年と、2015年から2017年に大会を制している。(c)AFP