【7月25日 AFP】カナダ最大都市トロントで発生し、2人が死亡、13人が負傷した発砲事件で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が25日、犯行声明を出した。だがカナダの警察当局は同日、容疑者がIS戦闘員だとのISの主張を裏付ける証拠はないと発表した。

 IS傘下のプロパガンダ機関アマック(Amaq)は、事件の加害者は「ISの兵士の一人」であり、2014年からシリアとイラクでISと闘う「連合諸国の国民を標的にせよとの呼び掛けに応え、攻撃を実行した」と伝えた。

 一方、トロント警察は「現段階で、こうした主張を支持する証拠はない」としている。

 同警察のミーガン・グレイ(Meaghan Gray)報道官は「われわれは引き続き、(容疑者のファイサル・)フセイン(Faisal Hussain)氏を知る人への事情聴取、同氏のインターネット使用履歴の洗い直し、精神的健康をめぐる既往歴の調査を含め、あらゆる手段で捜査を続ける」と述べた。

 警察によると、フセイン容疑者は22日夜、トロントの路上で銃を乱射し、18歳の女性と10歳の少女を殺害した。同容疑者は警察との銃撃戦の後、現場近くで死亡しているのを発見された。

 容疑者の家族はCBCニュースに対し、容疑者は「深刻な精神衛生上の問題を抱え、これまでずっと精神障害とうつ病を患っていた」と説明。投薬治療や精神療法も受けたが、治癒しなかったと述べている。(c)AFP