【7月26日 AFP】(更新)シリア南部スウェイダ(Sweida)県で25日、自爆攻撃や襲撃事件が相次いで発生し、220人以上が死亡した。イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出した。同国でのISによる攻撃では過去最多規模の死者数となった。

 在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、スウェイダ市では4件の自爆攻撃が発生。さらに同市の北方と東方の村々でも武装集団が自宅にいた住民らを銃撃した。

 監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表はAFPに対し、一連の襲撃による死者は少なくとも221人で、うち127人が民間人だったと語った。残る死者94人はシリア政権側の戦闘員で、その大部分は自身の家を守るために武器を手にした住民だったという。

 スウェイダ県の大部分はシリア政権側が掌握しており、ISは北東部の砂漠地帯を活動域としている。イスラム教の少数派ドルーズ(Druze)教徒が多数を占める同県では、2011年に始まったシリア内戦の影響を比較的受けずにいた。

 シリア人権監視団のアブドル・ラフマン代表は今回の一連の襲撃による死者数について、シリア内戦開始後のスウェイダ県では最悪のものだと説明。シリア国内でのISの攻撃としても最多規模の死者を数えるものだとしている。

 また同代表は、ISが複数の村を一時掌握したものの、最終的には政権側がISを追放し、襲撃を終結させたと説明した。IS側は自爆犯を含め少なくとも38人が死亡した。(c)AFP