【7月26日 AFP】ツール・ド・フランス(2018 Tour de France)は25日、第17ステージ(バニェールドリュションからサンラリースラン、65キロメートル)が行われ、チームスカイ(Team Sky)のゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)が自身初となるツール総合優勝にまた一歩近づいた。ステージはモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)が制した。

 総合2位につけるチームメートのクリス・フルーム(Chris Froome、英国)に1分39秒差をつけてステージに臨んだトーマスだが、この第17ステージを終えて差は2分31秒に拡大。ツール総合優勝4回を誇るフルームは総合3位に後退し、代わってチームサンウェブ(Team Sunweb)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)が1分59秒差の2位に浮上した。

 キンタナと28秒差のステージ2位には、UTE(UAE TEAM EMIRATES)のダニエル・マーティン(Daniel Martin、アイルランド)が入り、47秒差でトーマス、52秒差でチーム・ロットNL・ユンボ(Team LottoNL-Jumbo)のプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)が続いた。ログリッチは総合でもフルームとわずか16秒差の4位に順位を上げている。

 レースはコルドポルテ(Col du Portet)の山頂フィニッシュに至る16キロメートルの上り坂も残りわずかになったところで、ライバルたちのアタックにさらされる中、フルームがトーマスについていけなくなった。それでもトーマスは表彰台に食い込み、一方のフルームはキンタナから1分35秒遅れでのフィニッシュとなった。

 トーマスは「フルームがタイムを落としたのは残念だったけど、まだ表彰台を狙える上位にいる。状態は良いけど浮かれる余裕はない。食べて、飲んで、できるだけ回復に努めるよ。油断が入り込まないようにしないといけない」と気を引き締めた。

 一方、ステージを終えたフルームが自分の帽子をトーマスにかぶせた場面は、チャンピオン交代を認めた瞬間のようにも見えた。フルームは「ここまでツールを3連覇してきたが…まだやるべきことは残っている。表彰台フィニッシュのために戦いたいし、もちろん、ゲラントがイエロージャージーを保持し、一番高いところにとどまれるようにもしないとね」とコメントした。

 ステージを制したキンタナは「区間優勝ができてうれしい。きょうは純粋なヒルクライマーのためのステージだった」と話した。

「チームの士気を上げるという点でも素晴らしい勝利だ。なかなか思い通りにいかず、フラストレーションのたまる悲しい大会になっているが、残りのステージも戦い続けなくてはならない」

 26日の第18ステージは基本的に平坦なコースで、トリシュルバイーズ(Trie-sur-Blaise)からポー(Pau)までの171キロメートルで争われる。(c)AFP/Justin DAVIS