【7月24日 AFP】ドイツサッカー連盟(DFB)は23日、メスト・エジル(Mesut Ozil)が同国代表からの引退を発表した声明文の中で、同連盟のラインハルト・グリンデル(Reinhard Grindel)会長から人種差別的な扱いを受けたという主張を否定した。

 同連盟は声明文の中で「われわれは、DFBが人種差別という言葉と結び付けられたことを拒絶する」と記し、「代表選手から市井の人々による日々の草の根での貢献に至るまで尽きることなく、DFBは多様性を支持する」と続けた。

 エジルは今年5月、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と写真を撮影し、物議を醸していた。しかし22日、エジルはこれまでの沈黙を破る形で代表からの引退を表明し、その発表文の中でグリンデル会長を「人種差別的」だと非難した。

 2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の優勝メンバーであるエジルは「グリンデル会長や彼の支持者から見れば、私がドイツ人なのは勝ったときだけで、負けたときは移民なのだろう」と記し、自身に対して執拗(しつよう)な批判があったにもかかわらず、同会長は擁護してくれなかったと批判した。

 一方のDFBは、エジルが下した代表引退の決断を残念に思うと述べたものの、グリンデル会長に対する非難については断固として拒否した。

「DFBは、ドイツ代表の選手として傑出したパフォーマンスを見せてくれたエジルに心から感謝する」

「エジルに対して人種差別から十分に守られてこなかったと感じさせてしまったことは遺憾である」

「しかしイルカイ・ギュンドアン(Ilkay Guendogan)同様、重要なのはエジルが件の(エルドアン大統領との)写真について説明したということだ」

「DFBでは、勝っても負けてもそれはチームとしてのことである」

「エジルがこの共有された原則によってこのチームの一員としてとどまっていたいと思ったならば、DFBとしては喜ばしく感じていただろう。彼は違った判断を下した」 (c)AFP