【7月17日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)で準優勝に輝いたクロアチア代表が16日、母国の首都ザグレブで凱旋パレードを行い、沿道に集まった数十万人のファンに出迎えられた。警察の発表によると群衆の数は55万人に上り、屋根のない二階建てバスに乗ったチームに声援を送っていた。

 空港から5時間をかけてバスがゆっくりと首都中心部のイェラチッチ広場(Jelacic Square)に入ってくると、興奮状態のファンはチームカラーの赤と白のユニホームに身を包んで旗を振ったり、人気の歌を口ずさんだりした。1991年に旧ユーゴスラビアから独立して以降、ザグレブにこれほどの群衆が集まったのは、1994年に故ヨハネ・パウロ2世(John Paul II)が訪れたときだけだった。

 広場には10万人以上の人々が詰め掛け、チームの主将で大会の最優秀選手に贈られるゴールデンボール(Golden Ball)賞に選出されたルカ・モドリッチ(Luka Modric)を筆頭とする「ヴァトレニ(Vatreni、クロアチア代表の愛称、炎の意)」を熱狂的に称賛。赤と白の紙吹雪が舞う中でズラトコ・ダリッチ(Zlatko Dalic)監督や選手たちが巨大スクリーンの前にある即席ステージに上がると、ファンは「フルヴァツカ、フルヴァツカ!(Hrvatska、クロアチア語での国名)」と叫んでいた。

 選手と集まった人々が人口約400万人のクロアチア国歌を歌う中、モドリッチは興奮状態の群衆に対して、「ありがとう、クロアチア!ありがとう、ザグレブ!夢を達成した!」と呼びかけた。パレードの最中には、ダリッチ監督や選手たちは、バスの横で歩きながら声援を送っていたファンに対して、旗やユニホームにサインをして手渡したりしていた。

 この日は多くの人々が仕事を休み、母国史上初のW杯決勝に進出したチームを祝っていた。ある医師はAFPの取材に対し、「きょうはオフィスを閉めて英雄たちを出迎えに来た。『本日2018年7月16日は、私たちのヴァトレニのために休診します』という断り書きを掲げてきた」と話していた。(c)AFP