【7月15日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)の決勝に勝ち進んだフランス代表で、いまだ大会ノーゴールでありながら、恵まれた体格を生かしてチームに欠かせない選手となっているオリヴィエ・ジルー(Olivier Giroud)。チェルシー(Chelsea)に所属するこのFWは、15日に行われるクロアチアとの決勝でも先発出場が濃厚となっている。

 フランスの攻撃陣と言われて、真っ先に思い浮かぶのはキリアン・エムバペ(Kylian Mbappe)とアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)の名前かもしれない。しかしジルーも、先発か交代出場のどちらかでここまで全試合に出場し、ディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督の戦術に欠かせない存在となっている。

 ウルグアイに2-0で勝利した準々決勝では、空中戦の強さでそれまで堅陣を誇っていたウルグアイのDFラインを苦しめ、デシャン監督も「まだゴールはないが、われわれのサッカーにとって重要な選手だ」と評した。

 フランスサッカー連盟(FFF)のノエル・ル・グラエ(Noel Le Graet)会長も「貢献度は絶大だ。彼がいるからこそ、エムバペは両サイドを自由に行き来でき、グリーズマンもスペースを得られている。得点のないセンターフォワードに疑問が出るのは当然だが、彼の仕事ぶりを考えれば、批判はまったくの的外れだ」と話している。

 フランスはクロアチアとの決勝で、母国開催の1998年大会以来20年ぶりとなるW杯制覇を目指す。ジルーはその大会をノーゴールで終えたFWステファヌ・ギヴァルシュ(Stephane Guivarc'h)氏を引き合いに出し、自身の役割について話している。

「ギヴァルシュは98年のW杯で無得点、クリストフ・デュガリー(Christophe Dugarry)もたった1ゴールだった。優勝できるなら、ゴールできなくても全然構わない。世界チャンピオンになれたらそれだけで最高に誇らしい。チームが勝てるなら、僕もこの上なく幸せだ。次もみんなのドリブルコースやパスコース、スペースをつくるために体を張りたい」

 今大会ノーゴールということで忘れられがちだが、実のところジルーは、フランス代表の通算得点ランキングで4位タイにつけ、あのジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)氏と同じ31ゴールを挙げている。(c)AFP