【7月12日 AFP】11日に行われたサッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)準決勝でイングランドを下し、史上初の決勝進出を決めたクロアチア国内が、歓喜の渦に包まれた。

 クロアチアはこの日、延長後半のマリオ・マンジュキッチ(Mario Mandzukic)の決勝点でイングランドを2-1で下し、15日にモスクワで行われるフランスとの決勝へ進出。クロアチア国営放送(HRT)のコメンテーターは「クロアチアがW杯の決勝へ! とても美しい光景だ! ロシアで起きた奇跡中の奇跡だ!」と絶叫した。

 首都ザグレブのメイン広場に設けられたクロアチア最大のファンゾーンには数千人のサポーターが集まり、断続的に降り続いた雨をものともせず、巨大スクリーンに向かって「Vatreni(クロアチア代表の愛称、炎の意)」と声を上げ続けた。

 各ラジオ局は人気曲「プレイ・マイ・クロアチア(Play my Croatia)」を流し、この日はウエーターや店員、テレビ出演者だけでなく、看護師までもが赤と白のユニホームをまとった。また、一部では従業員が試合を観戦できるように早じまいする店舗もあり、コンサートや演劇、映画はキャンセルされたものもあった。

 今大会のクロアチアは、独立後初めて出場したW杯で4強入りした1998年大会の最高成績に並んでおり、キャプテンのルカ・モドリッチ(Luka Modric)をはじめとした代表チームは、準決勝に進んだ時点で英雄として賞賛を集めていた。

 そしてこの日、選手たちは400万人の国民に新たな歴史の1ページを見せた。チームを率いるズラトコ・ダリッチ(Zlatko Dalic)監督は試合後、HRTに対して「われわれは歩みを止めるつもりはない」と話した。(c)AFP