【7月15日 AFPBB News】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)に出場しているフランス代表は、15日にモスクワのルジニキ・スタジアム(Luzhniki Stadium)で行われるクロアチアとの決勝戦で20年ぶりのW杯制覇を目指す。そこで今回、AFPが配信した当時の記事を引用し、ジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)の2得点とエマニュエル・プティ(Emmanuel Petit)のゴールで、フランスが3-0でブラジルを破った1998年大会決勝を振り返る。

 1998年7月12日、パリ郊外サンドニ(Saint Denis)のスタッド・ド・フランス(Stade de France)で行われた試合は、開催国のフランスがCKからジダンの大会初得点と2得点目となるヘディング2発で前半に2点を先行すると、後半はDFマルセル・デサイー(Marcel Desailly)が退場して数的不利に陥ったものの、強力な中盤が持ちこたえ、最後はプティの追加点で前回大会王者ブラジルを突き放した。

 この勝利でフランスは、それまでブラジル、イタリア、ドイツ、アルゼンチン、ウルグアイしか手にしていなかったW杯のトロフィーを掲げ、エリート国の仲間入りを果たした。開催国が優勝を果たしたのも、1930年大会のウルグアイ、34年大会のイタリア、66年大会のイングランド、74年大会の西ドイツ、78年大会のアルゼンチンに続いて6チーム目だった。

 フランスは前半27分、プティのCKからニアサイドのジダンがブラジルのレオナルド(Leonardo Nascimento de Araujo)に競り勝ち、たたきつけるようなヘディングを決めて先制すると、ハーフタイム前にはユーリ・ジョルカエフ(Youri Djorkaeff)のCKに対し、完璧な場所に走り込んだジダンが再びヘディングで追加点を挙げた。

 この試合でジダンはW杯決勝で2得点を記録した数少ない選手の仲間入りを果たしている。1998年大会までのW杯決勝の舞台で、2得点以上を稼ぎ出した選手は1938年大会のジーノ・コラウッシ(Gino Colaussi、イタリア)とシルヴィオ・ピオラ(Silvio Piola、イタリア)、1954年大会のヘルムート・ラーン(Helmut Rahn、西ドイツ)、1958年大会のババ(Vava、ブラジル)とペレ(Pele、ブラジル)、1978年大会のマリオ・ケンペス(Mario Kempes、アルゼンチン)だけだった。

 迎えた後半、フランスは同23分にデサイーがブラジルのカフー(Cafu)に対するファウルで2枚目のイエローカードを受けて退場。W杯決勝で退場処分になった選手は、1990年大会のアルゼンチンのペドロ・モンソン(Pedro Monzon)とグスタボ・デソッティ(Gustavo Dezotti)に続き、1998年大会の時点でデサイーが史上3人目だった。

 それでもフランスは試合終了間際、中盤からゴール前に走り込んだプティが試合を決定づけた。プティはグループリーグのデンマーク戦で記録した代表初得点に続き、これが通算2得点目だった。W杯決勝の試合では1954年大会の西ドイツしか達成していない2点差からの逆転劇を目指したブラジルだったが、このゴールで力尽きた。(c)AFPBB News