【7月8日 AFP】ツール・ド・フランス(2018 Tour de France)が7日に開幕し、第1ステージ(ノワールムーティエアンリルからフォントネールコント、201キロメートル)では、史上最多タイとなる5回目のツール総合優勝を狙うチームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が落車するなど、大会は波乱含みのスタートとなった。クイックステップ・フロアーズ(Quick Step Floors)のフェルナンド・ガヴィリア(Fernando Gaviria、コロンビア)が開幕ステージを制した。

 フルームは残り6キロ付近で、コースの柵を飛び越えるような形で道路わきの草地に突っ込んだ。膝をすりむき、右肩を打ったようにみえたフルームは、大きなけがはなかったようだが、ガヴィリアから1分弱遅れてのフィニッシュとなった。

 また、ツールで2回の総合準優勝を経験しているモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)は、残り3.4キロほどの地点でタイヤがパンク。タイヤ交換に時間を要し、ガヴィリアから1分10秒以上の後れを取った。

 その他にも、ミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scott)のアダム・イェーツ(Adam Yates、英国)とBMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のリッチー・ポート(Richie Porte、オーストラリア)も落車に巻き込まれて後れを取り、今年のツールは大会前に総合優勝の候補に挙げられていた選手たちが軒並み出遅れている。

 一方、元スカイで現モビスターのミケル・ランダ(Mikel Landa、スペイン)、2014年大会覇者のバーレーン・メリダ(Bahrain-Merida)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)、地元フランスの大きな期待を背負うアージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のロマン・バルデ(Romain Bardet)、2017年のジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2017)を制しているチームサンウェブ(Team Sunweb)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)はメイン集団でフィニッシュし、総合争いのライバルたちから思わぬ形でリードを奪っている。

 レース後のフルームは、いつも通りの静かな自信と、安心した気持ちの入り交じった様子で「最初の数日は難しい展開になるとは思っていたが、これもレースの一部だ。スプリンターたちがポジション争いをしていて、前がかなり混乱した状況になり始めていた。チームとしてできることはあまりなかった。とにかくけががなくてホッとしているよ」とコメントした。

 ガヴィリアはボーラ・ハンスグローエ(Bora Hansgrohe)のペーター・サガン(Peter Sagan、スロバキア)とカチューシャ・アルペシン(Team Katusha Alpecin)のマルセル・キッテル(Marcel Kittel、ドイツ)とのスプリント勝負を制し、総合首位のマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)をまとう権利を手に入れている。(c)AFP