【7月16日 AFP】植物を植えたり、雑草を取ったりしているだけに見えるかもしれない。だが、アフガニスタン東部ナンガルハル(Nangarhar)州ジャララバード(Jalalabad)の庭園で働く女性たちにとって、この仕事はそれ以上の意味がある。アフガニスタンの最も保守的で最も不安定な州の一つであるナンガルハル州では、女性が家の外で働く機会はめったにない。

 フードとスカーフで顔を部分的に覆った女性が、男性職員と同じような、ゆったりとした蛍光オレンジ色の仕事着を着て、ジャララバードの庭園で働いている。植物の鮮やかな緑がオレンジ色を際立たせる。

 女性たちは週に6日、庭園の手入れをする仕事をしており、忙しそうにバラの生け垣や果物の木の間で働いている。全員が貧しく、その多くは夫を亡くしている。

 月給は約130ドル(約1万5000円)で、ほとんどの女性にとってお金を自分で稼ぐのは初めてのことだ。

 これは、国連ハビタット(UN-Habitat)が主導する活動で、家族との交渉が大変難しかったという。「ほとんどの女性にとって、家から出て働くのは初めての経験だ」と、「クリーンアンドグリーン・シティー(Clean and Green City)」事業の責任者、モハマド・ナーデル・サーガンド(Mohammad Nader Sargand)氏は述べた。

 アフガニスタン東部の主要民族であるパシュトゥン人の文化は、「イスラムよりもかなり多くの制限を女性に課す」という。「家族の男性の付き添いなしでは、女性は外出することが許されない」

 世界銀行(World Bank)によると、正式な仕事を持っているアフガニスタン女性の割合は、2017年は19%だった。

「ジャララバードとカンダハル(Kandahar)は(女性が)働くのが最も難しい地域だと分かっている」と、サーガンド氏は指摘する。カンダハルは旧支配勢力タリバン(Taliban)発祥の地で、ジャララバードはパシュトゥン人と保守派の中心となっているためだという。(c)AFP/ Anne CHAON