【7月5日 AFP】カンボジア政府は4日、首都プノンペンと隣国タイとの国境を結ぶ鉄道の最後の区間が復旧し、45年ぶりに同区間での運行を再開したと発表した。

 カンボジア・タイ間の移動時間の削減と貿易の促進を目的とした同区間の復旧工事には、アジア開発銀行(ADB)が2009年に1300万ドル(約14億円)を出資した。

 カンボジアのスン・チャントル(Sun Chanthol)公共事業・運輸相は、北西部ポーサット(Pursat)州からプノンペンに向かう列車が4日朝に運行したと表明。また、カンボジア・タイ両国間の残りの区間についても工事終了の見込みを指摘し、「今日はわが国にとって歴史的な日となった」と述べた。

 列車が国境を越えるには、今後カンボジア・タイ両国が合意を結ぶ必要があるが、スン・チャントル氏によると両国はすぐにでも合意を結びたい意向だという。

 カンボジアの鉄道の大半はフランス植民地時代に建設されたもので、冷戦(Cold War)時代の長年にわたる激しい内戦によって多くが損傷を受けた。

 今回復旧したポイペト(Poipet)近郊の48キロの区間も1973年、内戦で破壊されていた。(c)AFP