【7月4日 AFP】カリブ海の島国バハマで昨年、「究極のぜいたく」と銘打った音楽フェスティバルが開幕当日に突然中止になった問題で、大金を支払ったにもかかわらず宿泊場所として防災用テントをあてがわれるなど惨めな扱いを受けた多数の参加者のうち、2人がそれぞれ250万ドル(約2億8000万円)の損害賠償を受け取ることになった。

 中止となった音楽フェス「ファイア・フェスティバル(Fyre Festival)」はハイテク起業家のビリー・マクファーランド(Billy McFarland)被告(26)らが主催し、「10年に一度のカルチャー体験」などという触れ込みで参加者を募集。チケット代として10万ドル(約1100万円)以上を支払った人もいたが、当日になって中止になった。

 参加者らはその後、主催者側と相手取って損害賠償訴訟を起こしていた。ノースカロライナ州ローリー(Raleigh)の裁判所の判事はこのほど、被告に対し、精神的苦痛などに対する賠償150万ドル(約1億6600万円)に加え、懲罰的損害賠償100万ドル(約1億1000万円)を参加者のセス・クロスノ(Seth Crossno)さんとマーク・トンプソン(Mark Thompson)さんに支払うよう命じた。この問題の訴訟で損害賠償請求が認められたのは初めて。

 クロスノさんとトンプソンさんは私有の島の高級宿泊施設の宿泊費として1万3000ドル(約140万円)を支払ったが、現地では防災用テントを提供された。そのテントも安全ではないと感じ、泊まらなかったという。

 マクファーランド被告は通信詐欺罪2件と金融詐欺関連の罪を認めている。(c)AFP