【7月4日 AFP】2日に行われたFIBAバスケットボール・ワールドカップ(FIBA Basketball World Cup 2019)のアジア地区1次予選で、試合中にフィリピン代表の選手、スタッフ、ファンが入り乱れた乱闘騒ぎを起こしたオーストラリア代表が3日、チームの安全を確保するため、大使館に助けを求めたことを明かした。

 ツイッター(Twitter)に#basketbrawlのハッシュタグがトレンド入りしたこの試合は、第3クオーターに全選手が入り乱れた乱闘が発生し、両チーム合わせて13選手が退場した。国際バスケットボール連盟(FIBA)は、今回の暴力行為に対して事情聴取を始めると発表している。

 オーストラリアバスケットボール連盟(Basketball Australia)のアンソニー・ムーア(Anthony Moore)会長は、選手やコーチ陣を試合後のコートサイドに待機させ、チームを安全にホテルに移動させるため、大使館に助けを求めたと明かしている。

「われわれはここから無事に出られるのだろうか。選手とスタッフは身の危険を感じていた。選手は肉体的には大丈夫だが、精神的には疲れている。実際、選手とコーチ陣は長い間コートサイドにいた。そこがチームにとって一番安全な場所だった」

 ムーア会長はまた、オーストラリア代表は「昨夜の試合で果たした役割と責任を受け止める」とし、FIBAの調査結果と処分が出るのを待つと話した上で「われわれが受け入れられないのは、ファンやスタッフが今回の騒動に参加したことだ」と述べた。

 フィリピンのマニラで行われた試合は、すでに険悪な雰囲気のまま迎えた第3クオーター、チームメートを倒したフィリピンの選手に対し、オーストラリアのダニエル・キッカート(Daniel Kickert)が肘打ちを食らわせたのをきっかけに、コートは混とんとした状況に陥ると、オーストラリアの選手やスタッフは、ファンや関係者からいすを投げつけられていた。

 試合はフィリピンの選手が3人しかいない状況で再開したものの、同国はその後も2人の退場者を出し、最終的にはオーストラリアが89-53で勝利した。

 フィリピンバスケットボール連盟(SBP)は3日、「フィリピンのファンとコミュニティー」に向けて謝罪を表明したが、オーストラリアに対する謝罪はなかった。SBPは「開催国として伝統的なフィリピンのもてなしをできず後悔している」「国を代表するチームとして謝罪をする」とコメントした。

 フィリピンの選手数人は、試合後に笑顔で集合写真を撮影しており、ソーシャルメディアでさらなる非難を浴びた。しかし、退場処分を受けたフィリピン選手の一人は、ツイッターで個人的にオーストラリアに謝罪すると、「僕らの対応について言い訳はできない」と付け加えた。(c)AFP/Cecil MORELLA