【7月3日 AFP】(更新)マレーシアの汚職対策委員会は3日、ナジブ・ラザク(Najib Razak)前首相を逮捕した。同委員会が明らかにした。

 政府系ファンド「ワン・マレーシア・デベロップメント(1MDB)」をめぐる汚職捜査のために設置された同委員会は、ラザク前首相が「自宅で逮捕」され、翌4日に訴追されるという見通しを発表した。

 この大規模な汚職疑惑は、5月の総選挙で自身が長年率いてきた与党連合がマハティール・モハマド(Mahathir Mohamad)氏率いる改革派に敗れた大きな要因となった。

 ナジブ前首相らは、1MDBの巨額の資金を不正流用し、米国内の不動産や芸術作品などの購入に充てた疑いが持たれていた。

 前首相および1MDBは一切の不正行為を否定しているが、選挙敗北後は出国を禁止され、捜査が進められていた。

 退任直後に行われた家宅捜索では、前首相とその家族に関係する現金や宝石、高級ブランドのハンドバッグなどが押収され、総額にして約300億円相当に上った。

 ナジブ前首相と、高級品好きとされるロスマ・マンソール(Rosmah Mansor)夫人は捜査当局の取り調べを受けていた。

 先週には汚職対策委が、総額11億リンギット(約300億円)に上る408の銀行口座を凍結したことも発表していた。(c)AFP/M JEGATHESAN