【7月1日 AFP】スリランカ首相府は30日、同国海軍は中国国営企業にリースされている南部のハンバントタ(Hambantota)港に南部司令部を移転させると発表した。首相府は、中国が軍事目的で同港を使用することはないとしている。

 ハンバントタ港はスリランカ最南部にある深海港で、東西を結ぶ主要航路に位置する。隣国インドは今回の発表を受け、中国軍が同港を通じてインド洋に足場を得る可能性を懸念するものとみられる。

 スリランカ首相府は「同港の保安はスリランカ海軍の管理下に置かれるため、恐れる必要はない」とした上で、「スリランカは中国に対し、ハンバントタ港を(中国が)軍事目的で使用することはできないと通知した」と説明している。

 スリランカはマヒンダ・ラジャパクサ( Mahinda Rajapakse)前大統領の下、同港を含む大型インフラ事業向けに中国から数十億ドルを借り入れた。しかし債務を返済できず、昨年になって、ハンバントタ港の株式の70%を中国国営企業が保有し、同港を中国側に99年間リースすることで合意していた。(c)AFP