【6月27日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)は26日、グループDの試合が行われ、リオネル・メッシ(Lionel Messi)を擁するアルゼンチンは、残り時間4分でマルコス・ロホ(Marcos Rojo)が勝ち越しゴールを決めて2-1でナイジェリアに勝利し、決勝トーナメント進出を決めた。

 W杯2度の優勝を誇るアルゼンチンは、サンクトペテルブルク(St. Petersburg)での一戦でメッシが前半14分に自身大会初ゴールとなる先制点を挙げて完璧な出だしをみせたが、後半6分にナイジェリアのビクター・モーゼス(Victor Moses)にPKから同点を許した。屈辱的な早期敗退に向かっていたホルヘ・サンパオリ(Jorge Sampaoli)監督率いるアルゼンチンだったが、ロホが終了間際にそれを防いだ。

 数プレー前にはナイジェリアに2本目のPKを与えかけながらも、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)による確認の末にこれを逃れていたロホは、ガブリエル・メルカド(Gabriel Mercado)のクロスから強烈なシュートを蹴り込み、批判にさらされているサンパオリ監督は、歓喜の渦の中タッチライン際を駆けた。

 メッシがPKを外したアイスランド戦を1-1で引き分け、次のクロアチア戦に0-3で敗れたことで、このグループリーグ最終戦を前にサンパオリ監督の解任を求める声が上がっていた。

 それでもアルゼンチンは、命からがら底知れない穴に落ちることを回避し、30日にカザニ(Kazan)で行われる決勝トーナメント1回戦でフランスと戦うことが決まった。

 サンパオリ監督はクロアチア戦から5人を入れ替え、ゴンサロ・イグアイン(Gonzalo Higuain)やアンヘル・ファビアン・ディ・マリア(Angel Fabian Di Maria)を先発に復帰させたが、中盤でのエベル・バネガ(Ever Banega)の再起用が当たった。

 バネガはクロアチア戦でイヴァン・ラキティッチ(Ivan Rakitic)とルカ・モドリッチ(Luka Modric)に制圧された中盤に秩序をもたらすと、前半14分にメッシへ見事なロングボールを通して自身の価値を示した。

 バネガの卓越したパスに走り込んだメッシは、太ももでボールをトラップすると、今大会でたまった鬱憤(うっぷん)を晴らす矢のような右足のシュートをファーサイドに蹴り込んだ。

 それでもナイジェリアは後半5分、CKの場面でハビエル・マスケラーノ(Javier Mascherano)にオグヘネカロ・エテボ(Oghenekaro Etebo)が倒されてPKを獲得すると、これをモーゼスがスポットから蹴り込んで同点に追い付いた。

 その後、アルゼンチンのロホがペナルティーエリア内で自らヘディングしたボールを腕に当て、議論を呼ぶようなVAR判定が行われたものの、ナイジェリアにこの試合2本目のPKは与えられなかった。

 アルゼンチンはセルヒオ・アグエロ(Sergio Aguero)が投入されて、メッシやイグアインという攻撃陣に加わっていたが、ロホが利き足ではない右足で蹴り込んだストライカーのようなフィニッシュは、スタンドに詰め掛けた多くのサポーターが歓喜に沸く、狂乱の風景を引き起こした。(c)AFP/Kieran CANNING