623 AFP】モンゴルのゴビ砂漠(Gobi Desert)で22日、インドから融資を受けて建設される同国初の製油所の起工式が行われ、モンゴルのウフナー・フレルスフ(Ukhnaa Khurelsukh)首相とインドのラジナート・シン(Rajnath Singh)内相が参列した。

 インド輸出入銀行から10億ドル(約1100億円)の融資(期間20年)を受け、製油所、付随するパイプライン、発電所を建設する。モンゴルは現在石油製品のほぼ全量をロシアからの輸入に頼っており、政府はこの製油所に経済の活性化と輸入ガソリンへの依存軽減の望みを託している。

 ロシアと中国に挟まれ、陸に囲まれたモンゴルの経済は近年低迷しており、国際通貨基金(IMF)から55億ドル(約6000億円)の緊急支援を受けた。モンゴル政府は新製油所プロジェクトで国内総生産(GDP)の10%拡大を見込んでいる。

 プラントを建設する国有企業「モンゴル製油所(Mongol Refinery)」によるとこの製油所の原油処理能力は年間150万トン。建設期間は4年、完成すれば600人の雇用を創出し、年間ガソリン56万トン、ディーゼル燃料67万トン、液化石油ガス107000トンを生産する計画だ。

 新たに建設する全長500キロのパイプラインで、モンゴル・ドルノド(Dornod)県の油田から新製油所に原油を輸送する。この油田は中国石油天然ガス集団(CNPC)の傘下企業、ペトロチャイナ大慶タマツャグ(PetroChina Daqing Tamsag)が操業しており、モンゴル国家統計局によると同社は今年15月に280万バレルの原油を中国に輸出した。(c)AFP