【6月10日 AFP】東アフリカのタンザニアで、警察署に連行された臨月の女性が産院への搬送を拒否され、署の敷地内で介助などなく一人で出産していたことが判明し、警察の対応に批判が集まっている。

 地元メディアによるとタンザニア中南部キロンベロ(Kilombero)で2日夜、夫が盗品のベッドを購入した疑いがあるとして、警察当局は妻のアミーナ・ラファエル・ムブンダ(Amina Raphael Mbunda)さん(26)を逮捕した。

 臨月を迎えていたムブンダさんは病院に搬送してほしいと頼んだが、警察は拒否。結局、ムブンダさんは真夜中に一人で警察署の前庭で出産した。

 警察のムブンダさんに対する非人道的な扱いをめぐり、国内の人権団体から激しい怒りの声が巻き起こっている。

 タンザニアの司法人権センターの幹部はツイッター(Twitter)の投稿で、「他人が犯した罪でなぜ逮捕されるのか。どうして警察はムブンダさんが出産間近であることに気付かなかったのか。もし彼女が警察署で死亡していたらどうなっていただろうか」と警察を批判。

 また、別の人権保護団体もムブンダさんの命が危険にさらされたと非難する声明を発表した。(c)AFP