【6月6日 AFP】2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)に出場するチュニジア代表のナビール・マールール(Nabil Maaloul)監督は5日、先日行われた国際親善試合の2試合で、イスラム教の「ラマダン(Ramadan)」の日中の断食が解けた選手たちが飲食できるよう、GKにけがを装うよう指示したことを認めた。

 マールール監督は試合に出場したGKムエズ・アセン(Mouez Hassen)に対し、日没後にピッチ上に「負傷して」倒れるよう話したという。

 国際サッカー連盟(FIFA)が定める規定では、GKが負傷した際には必ず試合を中断する必要があることから、アセンが処置を受けている間にゲームは一時ストップしていた。そこで、日の出から日没までの断食を終えたチュニジアのその他の選手たちはタッチライン際に走り、ナツメヤシの実(デーツ)や清涼飲料水を口にした。

 チュニジア選手のこうした行動は、5月29日のポルトガル戦と今月1日のトルコ戦の両方で確認されている。

 この件についてマールール監督は「全てが計画的なものだった。大勢の選手がラマダンの断食をしていた」と話し、包み隠すことなく「選手たちが断食を中断できるよう、キーパーにはピッチに倒れるように指示した」と明かした。

「一切の飲食をせずに16時間を過ごすのは非常に難しいことだからね」

 またマールール監督は、断食が選手たちの体調にどれだけの影響を及ぼすのかについても説明を続けた。

「今はそれほど問題ではない。問題はもう少し後、ラマダンが終わった後だ」「断食は筋肉疲労をもたらす。選手たちには、W杯のタフさになんとかして耐えてほしい」

 今年のラマダンは、W杯の開幕日と同じ今月14日まで続く。

 本大会でグループGに入ったチュニジアは18日にイングランドと対戦し、23日にはベルギーと、その28日にはパナマと顔を合わせる。(c)AFP