【6月2日 AFP】米国のジェームズ・マティス(James Mattis)国防長官は2日、中国の南シナ海(South China Sea)における軍事拠点化と高性能ミサイルなどの配備は、近隣諸国を脅迫し抑圧することを目的としたものであるとして、同国を批判した。

 マティス長官は、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ、Shangri-La Dialogue)で演説。12日に行われる予定のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領と北朝鮮の金正恩(Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の首脳会談を前に、朝鮮半島(Korean Peninsula)の「完全かつ検証可能で不可逆的な」非核化に向けた外交への支援を米軍は継続すると語った。

 マティス長官は、中国政府が、人工島や軍事施設などを建設して軍事拠点化を進める南シナ海全域にわたって、対艦および地対空ミサイルや電波妨害装置などを配備していると指摘。

 また中国は先月、西沙諸島(パラセル諸島、Paracel Islands)のウッディー島(Woody Island、永興島)に初めて重爆撃機を着陸させた。

 マティス長官は「中国の主張とは反対に、そうした兵器システムの配備は、脅迫と抑圧を目的とした軍事利用に直接関連している」と述べ、さらに、習近平(Xi Jinping)国家主席は2015年の訪米時に、南シナ海の諸島を軍事拠点化する意図はないと述べたが、これも守られていないとして同主席を批判した。(c)AFP/Thomas WATKINS