【6月14日 AFP】2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)のグループGでは、ベルギーとイングランドが勝ち上がる有力候補となる一方で、チュニジアと初出場のパナマは大きなサプライズを見せることを望んでいる。

 ケビン・デ・ブルイネ(Kevin De Bruyne)、エデン・アザール(Eden Hazard)、ロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)らを擁し、「黄金世代」と称されるベルギーのスター集団はこれまでその潜在能力の全てを出し切れてはいない。

 準々決勝に進出した4年前のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)での躍進は、足掛かりとして受け入れられる結果だった。

 しかし、欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)の準々決勝でウェールズに敗れたことでマルク・ヴィルモッツ(Marc Wilmots)前監督は解任となり、後任にはかつてエバートン(Everton)を率いたロベルト・マルティネス(Roberto Martinez)氏がサプライズで選ばれた。

 ベルギーは余裕をもって予選を勝ち上がったが、最高の才能を持つ選手たちからどのようにしてその能力を引き出すのかというマルティネス監督の技量には疑問が残ったままであり、ASローマ(AS Roma)に所属するMFラジャ・ナインゴラン(Radja Nainggolan)を登録メンバーから外した判断はファンをひどく落胆させるものだった。

 ベルギーにとってW杯での最高成績は、1986年大会でマークした準決勝進出となっている。

 イングランドは直近2回の主要国際大会でベスト8入りを逃しており、今大会に向けての期待は淡い。

 ギャレス・サウスゲイト(Gareth Southgate)監督率いるチームがどこまで勝ち進むことができるかは、主将のハリー・ケイン(Harry Kane)が、所属するトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)での状態を大会でも発揮できるかに大きく関わってくる。

 若さあふれるチームは攻撃のタレントに恵まれているが、MFの選択肢に欠けるという不安要素もある。

 1978年大会以来となるW杯での白星を目指すチュニジアは、スター選手であるユセフ・ムサクニ(Youssef Msakni)が膝の靱帯(じんたい)を痛めて登録メンバーから外れている。ムサクニの離脱はチュニジアにとって大きな打撃で、ナビール・マールール(Nabil Maaloul)監督はこの状況について「アルゼンチン代表がリオネル・メッシ(Lionel Messi)抜きで本大会に進むようなものだ」と表現した。

 パナマは大会の中でも優勝オッズ1000倍の大穴チームの一つで、北中米カリブ海予選で米国を退け本大会進出を決めるという奇跡を起こした。

 しかし、3月に行われたスイスとの国際親善試合で0-6と大敗したことは、北中米カリブ海予選から世界でも指折りの強豪と対戦する舞台へのステップアップが、少し大きすぎたかもしれないということをパナマに知らしめた。(c)AFP