【5月28日 AFP】ジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2018)は27日、最終第21ステージ(ローマ市内周回コース、115キロメートル)が行われ、チームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が見事な逆転総合優勝を飾り、三大ツール(グランツール)3連勝を果たした。

 33歳のフルームは、英国人ライダーとしてジロの101年の歴史上初めてとなる優勝を果たしたが、反ドーピング機関からの制裁を受ければ偉業が取り消される可能性もある。

 フルームは、昨年優勝を果たしたブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana 2017)の大会期間中の検査で、許容量の2倍にあたる値のぜんそく薬「サルブタモール(Salbutamol)」が検出され、その調査が進められる中で今大会に参加していた。

 それでもチームスカイのデイブ・ブレイルスフォード(Dave Brailsford)代表は、フルームが「やましいことを何一つしていないと100パーセント分かっているからこそ」、今回のような走りを見せることができたと語っている。

 総合首位が着用するピンクジャージーに合わせたピンク色の自転車に乗ったフルームが、長く、混沌(こんとん)とした旅路を終えた今ステージは、ボーラ・ハンスグローエ(Bora Hansgrohe)のサム・ベネット(Sam Bennett、アイルランド)が優勝を飾り、今大会3勝目を手にしている。

 エルサレムからアルプス(Alps)を目指す中、ツール・ド・フランス(Tour de France)で4度の総合優勝を果たしているフルームは、いわく「キャリア最大の戦い」に耐えていた。

 大会を3ステージ残す中で総合4位につけていたフルームは、25日の第19ステージで残り80キロを独走してステージ優勝を飾り首位に浮上すると、そのリードを最終日まで守った。

 これでフルームは、ジロ、ツール、ブエルタの現王者となり、エディ・メルクス(Eddy Merckx)氏とベルナール・イノー(Bernard Hinault)氏に続く史上3人目の偉業を達成した。

 通算6度目のグランツール制覇を遂げたフルームは「まだ自分の頬をつねっている。ここに自分がいることが信じられない。10か月の間に三つ全てのジャージーを手にすることは夢のようだ。信じられない気持ちだ」と語った。

 フルームと46秒差の総合2位には昨年大会覇者、チームサンウェブ(Team Sunweb)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)、同3位には首位から4分57秒差でアスタナ(Astana Pro Team)のミゲル・アンヘル・ロペス(Miguel Angel Lopez 、コロンビア)が続いた。

 フルームはこれで、1998年にマルコ・パンターニ(Marco Pantani)氏が達成したのが最後となっている、同一年のジロとツールの連勝を目標に掲げられることになった。またフルームは、そのパンターニ氏以来となるジロ総合優勝と山岳賞の2冠も達成している。(c)AFP