【5月24日 AFP】米ナショナルフットボール(NFL)各チームのオーナーは23日、国歌演奏の際に選手に起立を義務付ける方針を設けることで合意した。ただし、選手が望めばロッカールームに留まることも可能となる。

 NFLでは昨シーズン、試合開始前の国歌「星条旗(The Star-Spangled Banner)」の演奏中、選手らが特定の人種に対する不当な仕打ちに抗議するため膝をついた行動に出たことが論争に発展。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が抗議を行った選手らを「くそ野郎」と罵倒したことで、米国で最も人気のスポーツであるフットボールが激しい政治的論争の渦中に置かれることとなった。

 この発言をきっかけに、NFL内では各所から抗議の声が巻き起こり、一部ファンの怒りを買ったほか、トランプ氏を支持する保守派オーナーらは難しい立場に置かれていた。

 関係者らは論争の再発を避けたい意向であり、この問題はジョージア州アトランタで23日に開催されたNFLのオーナー会議に暗い影を落とした。NFL指導部は、選手らに対し国歌演奏中の起立を一律で義務化する措置には難色を示しており、オーナーらは最終的に妥協案で合意した。

 NFLの現在の規定では、国歌演奏中に選手全員が競技場に出ることが義務付けられているが、新たな方針ではこの規定が排除されるため、起立を望まない選手はロッカールームに留まることが可能となる。国歌演奏中に競技場に出ている選手には起立が義務付けられ、違反したチームには罰金が科される。(c)AFP/Rob Woollard