【5月17日 AFP】ポルトガル1部リーグのスポルティング・リスボン(Sporting Lisbon)は16日、選手やスタッフがマスクをつけてフードを被った50人あまりの集団に襲撃される事件があったものの、20日に行われるポルトガル杯(Portuguese Cup 2017-18)決勝には出場すると明かした。

 クラブのエンブレムが入ったTシャツを着た集団は15日、リスボン郊外にあるスポルティングの練習施設に侵入し、選手やスタッフを暴行し、ロッカールームを破壊した。

 これにより今季チーム得点王となったオランダ代表のバス・ドスト(Bas Dost)は首を縫うけがをした。SNSには顔が血まみれになったドストの写真が投稿されている。

 今季リーグ戦27得点を挙げたドストは、オランダの日刊紙アルヘメン・ダフブラット(Algemeen Dagblad)に対し「悲惨な状況でわれわれは皆ショックを受けている」と話し、ポルトガルのウェブサイトOjogoでは「これはみんなにとって大きな事件だ。むなしい」とコメントしている。

 28歳のドストは13日のCSマリティモ(CS Maritimo)戦でゴールを決めているが、この試合で1-2で敗れたスポルティングは3位でシーズンを終えることが決まり、来季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)出場権を逃している。

 チームは16日に選手会とどのような対応を取るかや、アベス(Deportivo Aves)とのポルトガル杯決勝の棄権について協議した。

 それでもクラブ側は「すぐに普段のトレーニングを再開できるような肉体的・精神的コンディションにはない。だが、カップ戦決勝はポルトガルサッカーを祝福する舞台であるので、われわれは決勝でプレーする」との声明を出している。

 選手会によると、ポルトガル杯決勝をもってシーズンが終了した後、複数の選手がスポルティングを退団するという。今回の件を受け、マルセロ・レベロデソウザ(Marcelo Rebelo de Sousa)大統領は、ポルトガルのイメージが世界で低下する懸念を示している。

 なお、アルゼンチン代表のマルコス・アクーニャ(Marcos Acuna)とクロアチア人MFヨシプ・ミシッチ(Josip Misic%%)も暴行を受けている。政府は当局が23人を拘束したと発表している。(c)AFP