【5月15日 AFP】カザフスタンの首都アスタナで開かれたシリア内戦の和平協議で、ロシアの交渉責任者アレクサンドル・ラブレンチェフ(Alexander Lavrentyev)氏は14日、オブザーバーとして代表団を送らなかった米国を激しく非難した。

 地域全体に緊張が広がる中、シリア情勢の政治的解決に向けた進展を目指すイラン、ロシア、トルコの交渉団は14日、アスタナに集まった。和平協議は14日から2日間の予定でロシアの主導で開かれた。

 ラブレンチェフ氏は初日の協議後の記者会見で、アスタナで開かれた過去8回の交渉には米国代表団が出席したと指摘し、今回の協議のオブザーバーとして代表団を送らなかった米国の決定を批判。「遺憾に思う」とし、詳細への言及は控えつつ「政治的解決への道筋は交渉の場でのみ見出すことができ、シリア政府も国際社会も知らないところで立案された取り組みやシナリオを通じてではないと信じている」と述べた。astana

 7年に及ぶシリア内戦に最も深く関わっているイラン、ロシア、トルコの3か国が和平協議で一堂に会したのは、イランとイスラエルの間で先週、国境を超えた軍事攻撃が伝えられ緊張が高まった後としては初めて。

 3か国が協議するのはドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が今月、イラン核合意からの離脱を表明した後としても初めて。米国の離脱表明を受けて中東情勢は混迷を深めている。(c)AFP/Dana Rysmukhamedova