【5月3日 AFP】先月から政治的混乱が続いている旧ソ連構成国アルメニアの野党勢力指導者、ニコル・パシニャン(Nikol Pashinyan)氏は2日、自身の首相選出に向けて全政党の支持を得られる見通しが立ったとして、大規模な抗議行動で首都機能をまひ状態に追い込んだ支持者らに対しデモ中止を呼び掛けた。

 首都エレバンで行われた集会で、パシニャン氏は数万人の支持者らを前に「問題はほとんど解決した」と演説「全党派が私を(首相)候補として支持すると表明した」と述べ、「子どもたちよ、明日は学校に行くんだ。われわれは抗議を中断して休憩しよう」と続けた。

 これを受け、首都では各地で人々が喜びに湧き、兵士たちからベビーカーを押した母親まで、誰もが抱き合って踊る姿が見られた。

 アルメニアでは4月、長年大統領を務めたセルジ・サルキシャン(Serzh Sarkisian)氏が首相に選出されたものの、同氏が権力を維持し続けていることに抗議する大規模なデモが相次いで発生。サルキシャン氏は辞任した。

 今月1日、国民に人気の高い野党指導者のパシニャン氏の首相任命投票が行われたが、与党の反対で否決。怒りを爆発させた数万人が2日、抗議のゼネストを決行し、全国各地の交通網を遮断したり首都エレバンや他の主要都市に集結して都市機能をまひさせた。

 未曽有の大規模デモを受けて与党・共和党の会派は、法律で定められた議会の3分の1の推薦を受けた候補者を支持すると表明。ついにパシニャン氏を支持する方針を固めたことを示唆した。新首相選出のための臨時議会は8日に召集される。(c)AFP/Irakli METREVELI, Mariam Harutyunyan