【4月13日 AFP】2018年の「世界報道写真(World Press Photo)」コンテスト大賞に、フランス通信(AFP)の写真記者ロナルド・シュミット(Ronaldo Schemidt)氏が撮影した、炎に包まれる覆面のデモ参加者の写真が選ばれた。

 南米ベネズエラの首都カラカスで昨年5月に撮影されたこの写真は、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に対する抗議デモと警察機動隊の衝突の場面をとらえたもの。審査員からは、「炎上する」ベネズエラを象徴する写真で、一目見て感情が揺さぶられると評価された。

 シュミット氏はメキシコを拠点にカラカスの抗議デモを取材していた。受賞作の被写体であるビクトル・サラザル(Victor Salazar)さん(28)は、他のデモ参加者らと共に警察のオートバイを壊そうとしていたところ目の前で燃料タンクが爆発し、炎に包まれた。

「背後で爆発が起きたのが分かった。熱を感じて振り返った瞬間にはもうシャッターを切っていたが、何が起きているのかは見ていなかった」とシュミット氏は語っている。世界報道写真財団によると、サラザルさんはやけどを負ったものの命に別状はなかったという。

 このほかAFP通信からは、「スポーツの部」単写真1位に英ロンドンを拠点とするオリバー・スカーフ(Oliver Scarff)通信員が、「スポットニュースの部」組写真3位にカラカスを拠点とする写真記者フアン・バレト(Juan Barreto)氏が入選した。(c)AFP/Jan HENNOP