【4月12日 AFP】カスピ海(Caspian Sea)沿岸のアゼルバイジャンで11日、議会解散に伴う総選挙と大統領選が行われ、中央選挙管理委員会によると開票率67.3%の時点で現職のイルハム・アリエフ(Ilham Aliyev)大統領(56)が得票率86.1%で4期目の当選を確実にした。主要野党は選挙をボイコットした。

 アゼルバイジャンは近年、原油輸出による安定したドル資金の流入によって財政が潤い、15年にわたり独裁的統治を行ってきたアリエフ氏の足場をますます強固なものとしている。抑圧されてきた野党側は対抗する術を持たず、アリエフ氏の再選は確実視されていた。中央選管によると投票率は74.5%だった。

野党側は、見せかけの選挙に過ぎず、当局が票の不正操作を行おうとしていると主張。選挙日程を半年前倒しして突如、解散に打って出たアリエフ氏の目的は選挙期間を短縮して不正阻止の努力を妨害するためだと非難していた。

 アリエフ氏は、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の局員で1993年から強権政治を敷いていた父親ヘイダル・アリエフ(Heydar Aliyev)氏の死去に伴い、2003年に後継として大統領に選ばれた。大統領任期は16年の憲法改正で5年から7年に延長され、欧州評議会(Council of Europe)の専門家から「権力のバランスを激しく乱し」大統領に「前例のない」権力を与えると批判されている。(c)AFP