【3月28日 AFP】エクアドルは28日、英ロンドンのエクアドル大使館に身を寄せている内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の創設者、ジュリアン・アサンジ(Julian Assange)氏(46、オーストラリア国籍)による外部との通信を遮断したと発表した。

 エクアドル政府は声明を出し、同大使館にいる間は他国の問題に干渉しないという2017年の約束にアサンジ氏が違反したことが、今回の決定の理由だと明らかにした。

 アサンジ氏は26日のツイッター(Twitter)投稿で、英イングランドで4日発生したロシア人元二重スパイの毒殺未遂事件をめぐり、ロシア政府に責任があるとした英政府の非難に異論を唱えていた。

 さらにアサンジ氏は、英国など20か国以上が同事件に対する報復措置として、スパイと見なしたロシア外交官への国外追放処分を決めたことに疑問を投げ掛けていた。

 英国のアラン・ダンカン(Alan Duncan)外務閣外相はアサンジ氏による一連のコメントを受け、同氏を「哀れな小さい虫けら」と呼び、大使館を出て英当局に自首すべきだと述べた。

 アサンジ氏はほとんどの時間を大使館の小部屋で過ごしているが、ツイッター投稿のほか、ロシア政府系テレビ局「RT」にコメントを寄せることや、ビデオ中継で記者会見を行うこともある。

 エクアドルは2016年、アサンジ氏が同年の米大統領選に影響すると見られる文書をインターネット上に投稿したことに対し、一時的に同氏のインターネット接続を停止したことがある。

 昨年5月には、エクアドルのレニン・モレノ(Lenin Moreno)大統領がアサンジ氏に対し、スペイン北東部カタルーニャ(Catalonia)自治州の独立問題をめぐるコメントを控えるよう求めていた。同氏はこれに先立ち、スペイン政府には「抑圧」の罪があるとツイートしていた。(c)AFP