【3月11日 AFP】平昌パラリンピックは11日、クロスカントリー男子座位15キロが行われ、北朝鮮出身の2選手が同国史上初となる大会出場を果たした。

 昨年12月にスキーの滑り方を習い始めた17歳のキム・ジョンヒョン(Jong Hyon Kim)と27歳のマ・ユチョル(Yu Chol Ma)は、29人が出場した中で最初の2人としてスタートを切った。観客からは歓声が上がり、南北朝鮮を示す統一旗も振る人もいた。

 しかしながら、より経験を積んでいるライバル選手に対抗することはできず、マが1時間4分57秒3で26位、キムが1時間12分49秒9の27位と、完走した選手の中では最後のフィニッシュとなった。ウクライナのマクシム・ヤロビィ(Maksym Yarovyi)は41分37秒0のタイムで金メダルを獲得した。

 大会組織委員会によると、幼い頃に交通事故で脚をけがした両選手がスキーを始めたのは約3か月前で、それまでは障がい者向けの卓球をしていたという。

 会場となったアルペンシア・バイアスロン・センター(Alpensia Biathlon Centre)では、北朝鮮初のパラリンピアンの存在を、南北の結びつきがより強いものになっている証拠と歓迎。和解が継続することを望んでいるとの声が聞かれた。

 統一旗を振っていた観客はAFPの取材に対し、北朝鮮との緊張関係が改善したことが「心を温めた」とすると、「戦争や政治によってわれわれは分断されています。それでも、われわれは同じ人民です」と語った。

 またもう一人の観客は「かつては一つの国でしたし、いつか再統一されることを望んでいます」とコメントした。