【3月6日 AFP】ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州でイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)に対する暴力が横行している問題で、国連(UN)の人権問題担当特使は6日、同国では現在も恐怖と強いられた飢えを伴う「民族浄化」が続いていると主張した。

 昨年8月にミャンマー軍がロヒンギャ掃討作戦に乗り出して以降、兵士や自警団員らによるロヒンギャへの暴力、殺人、レイプ、放火についての証言が絶えない。

 国連人権担当アンドリュー・ギルモア(Andrew Gilmour)事務次長補はバングラデシュのコックスバザール(Cox's Bazar)にある難民キャンプで新たに到着したロヒンギャの人々と対面した後、「ロヒンギャの民族浄化は続いている。コックスバザールで私が見聞きしたことからは、それ以外の結論を導くことができると思えない」と主張した。

 また「暴力の性質は、昨年における流血の事態および集団レイプの激発というものから、恐怖と強いられた飢えという軟性のものに変わった」と指摘。

 同氏はミャンマー政府がロヒンギャの帰還受け入れを開始すると約束したものの、近い将来に可能となることは「あり得そうもない」と述べ、「ミャンマー政府が世界に対して、ロヒンギャの帰還者を受け入れる用意があると言い立てているが、一方で同時に軍はロヒンギャをバングラデシュに追い立て続けている」と話した。(c)AFP