【2月27日 AFP】国家ぐるみのドーピングスキャンダルが影を落とす中、平昌冬季五輪に個人資格で参加したOAR(ロシアからの五輪選手)の一団が26日、モスクワのシェレメチェボ国際空港(Sheremetyevo airport)に到着し、母国のファンから大歓迎を受けた。

 平昌五輪の閉会式で国旗を掲げることができなかったロシアは、大会期間中にカーリング男子のアレクサンドル・クルシェルニツキー(Alexander Krushelnitsky)と、ボブスレー女子のナデジダ・セルゲエワ(Nadezhda Sergeeva)の2選手がドーピング検査で陽性反応を示し、暫定資格停止処分を科された。

 それでも、OARは25日のアイスホッケー男子決勝でドイツを下して26年ぶりの五輪タイトルを獲得したほか、フィギュアスケート女子シングルでは15歳のアリーナ・ザギトワ(Alina Zagitova)が金メダルに輝き、空港ではファンが花束や風船を手に「よくやった!」と大合唱するなど祝福ムードに包まれた。

 同国オリンピック委員会(ROC)のアレクサンドル・ジューコフ(Alexander Zhukov)会長は、選手たちが逆境の中で出場を決断し、そのパフォーマンスで困難を乗り越えたことに感謝の意を示し、「大勢が五輪に参加すべきか疑問を持っていた。しかし、何よりも日曜日(25日)にロシアからの五輪チームがアイスホッケーで金メダルを獲得したことで、今では誰も疑問を持たなくなったと確信している。わがアスリートたちは、ロシアを胸に競技に臨んだ」と述べた。

 金メダルを獲得したアイスホッケー男子のメンバーとしてプレーしたセルゲイ・アンドロノフ(Sergei Andronov)は、娘を抱きしめながら堂々とスピーチを行い、「チームが五輪でプレーすることを容認し、支援してくれたわが国の指導者に感謝する。われわれは、自分たちの国が崩壊しないことを再び証明した。それこそが、われわれをより強くしている」と語った。(c)AFP