【2月5日 AFP】シリア北西部イドリブ(Idlib)県の町で4日、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権軍による空爆後、5人が「窒息」の症状で治療を受けていたことが分かった。在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が明らかにした。この他にも政府軍の空爆により同県で民間人10人が死亡したという。

 監視団は「政権軍のヘリコプターがイドリブ県のサラケブ(Saraqeb)の複数の場所に攻撃を加えた後に悪臭が漂い、民間人5人に窒息の症状が見られた」と述べた。住民や医療関係者らの話として、攻撃では「毒ガス」が使用されたとも言及している。

 監視団によると、イドリブ県南部ではサラケブ以外の複数の町も空爆を受け、合わせて10人の民間人が死亡。病院も攻撃され、複数のロシアの航空機が関与したとみられるという。

 アサド政権は首都ダマスカス近郊で反体制派に対して化学兵器を使った疑いがあり、米政府が先週非難していた。政権側は「虚偽」の情報だとして使用の事実を否定している。

 ジェームズ・マティス(James Mattis)米国防長官は2日、記者団に対し、複数のNGOや反体制派グループの情報を基に、シリアで最近、サリンガスが使われた可能性があると懸念を示していた。(c)AFP